2025.1.10
令和6年12月定例会 一般質問 梶原英樹
録画ビデオはこちら ※外部リンクに移動します。
1 年収の壁について
2 政治や選挙について気兼ねなく話ができる社会について
3 MaaSも活用した周遊観光の促進について
4 その他
議事録全文
◯梶原英樹君
◯梶原英樹君 「京都が好きだ」の梶原英樹です。どうぞよろしくお願いいたします。
過去にも何度も質問と要望をさせていただいております年収の壁についてお尋ねいたします。
今、年収の壁について大きな議論を呼んでいるのは、皆様も御承知のとおりかと存じます。年収103万円、106万円、130万円など幾つもの基準が存在しており、制度が非常に複雑化しています。特にパートやアルバイトで働く方々がどの基準を優先して判断すべきか迷い、心理的な壁は依然としてあり、結果的に収入を抑えざるを得ない状況が続いています。さらに企業によっては、独自に配偶者手当の支給基準を設けている場合もあり、その基準に合わせて労働時間を調整する必要が生じるなど、こういった点も問題を複雑にしていると言えるでしょう。
これらの壁を超えたメリットとして、将来的には年金の受給額が増える、病気やけがによって仕事を休んだ場合には傷病手当が支給されるなどがある一方で、手取り収入が大きく減少する場合があります。特に子育て世帯をはじめとする若い世代にとっては、将来の年金受給額が増えることよりも、物価が高騰し、今を生きるための生活費や年々上がる子どもの教育費といった資金を確保することのほうがより切実な課題と感じている方が大変多くいます。
現在、国においては年収の壁を103万から178万に引き上げるべく議論を開始され、この引上げによって壁を意識せずに働ける環境を整えることにより所得が増えることが期待されています。また、年収を調整するため年末に働き控えをする労働者が多くいますが、これらの改善は人手不足問題の解消効果もあり、経済の発展にもつながります。一方で、報道等によると、壁を178万円に引き上げた場合、7.6兆円の税収減となる懸念も指摘されており、制度改正にはさらなる議論が必要であります。
こうした中、厚生労働省は昨年10月から「年収の壁・支援強化パッケージ」を開始しています。この施策には、事業主が労働者の社会保険の加入と併せて手取り収入を減らさない取組を実施した場合、一人当たり最大50万円を補助するキャリアアップ助成金が含まれており、年収の壁を意識せずに働ける環境を後押しする内容となっています。
そこでお尋ねいたします。
「年収の壁・支援強化パッケージ」に関して、申請対象者は最大60万人と推計されていたものの、申請実績は今年8月末で約27万人にとどまっており、低調に推移しています。京都府内での申請状況は公表されていませんが、制度の周知不足やその複雑さが主な原因であると考えられます。
この制度は、令和7年度末までの期間限定であり、その間に社会保障や税制改革が進むことを前提としていますが、労働者の負担軽減や企業の人材確保に対して重要な施策であり、状況を見据えながら積極的な周知や支援を強化するべきではないでしょうか。
さらに、現在、国で進められている社会保障制度や税制改革についても、具体化され次第、正確かつ迅速に府民に伝えることが重要です。本府としても、新しい制度の周知に向けて国や関係機関と連携し、より積極的に取り組むべきだと考えますが、本府の意気込みも含めた御所見をお聞かせください。
さらに提案と質問をさせていただきます。アプリやソフトの開発であります。自分の希望する働き方や収入見込みなどを入力すれば、税金や保険料をどれほど支払わなければならないのか、手取りが幾らになるのかなど、簡単にシミュレーションできるソフトやアプリを本府で作ってみてはいかがでしょうか。
そういったことを展開することで、制度をより理解することができて自分らしい働き方、所得を増やすための計画、けがや病気をしたときの補償、さらには老後のことまで考えるきっかけになると考えますが、いかがでしょうか。
次に、政治や選挙について気兼ねなく話ができる社会について質問いたします。
初めに、先般行われた衆議院議員選挙の投票率について触れてみたいと思います。10月27日に投開票された衆議院議員選挙の投票率は53.85%であり、3年前の選挙を2.08ポイント下回り、戦後3番目に低い数字となりました。有権者の投票への関心の低さが改めて浮き彫りになったと言えるでしょう。
特に注目すべきは、若年層の投票率の低さです。総務省によると、今回の選挙で18歳の投票率は約49%、19歳では約36%という結果でした。また、令和3年に実施された前回の選挙では、全体の投票率が55.93%であったのに対し、10代の投票率は43.23%、20代では36.5%と30代未満の世代の投票率が特に低いことが明らかになっています。若者の政治参加の課題がいまだ根深いことを示しているのではないでしょうか。
なぜ、若者の多くは投票を棄権するのでしょうか。公益財団法人明るい選挙推進協会の2021年度の調査によると、年代別の政治関心度において、全体では「非常に関心を持っている」「多少は関心を持っている」を合わせると79.7%に達しているのに対して、18歳から29歳の有権者ではその合計が52.4%にとどまり、全体と比較して25ポイント以上低くなっています。この調査では、若者の棄権理由として、「選挙にあまり関心がなかったから」「仕事があったから」といった点が挙げられています。
さらに、自らが政治に参加する意識も低いという傾向があります。例えば同協会が2021年度に実施した「若い有権者の政治・選挙に関する意識調査」によると、「今の日本の政治を実際に動かしているのは誰か」という質問に対して最多の回答が「国会議員」26%、次いで「官僚」23%となり、合わせて約半数が、国会議員や官僚が政治を動かしていると考えています。一方、「国民一人一人」と回答した者の割合は、わずか9%にすぎません。若者の間に、政治は自分たちとは無関係という政治的無力感が広がっているのではないでしょうか。
私が実際に大学生から聞いた声を紹介いたします。「若者は選挙に関心がないわけではない。政治が大事とは思いつつも、それをアウトプットする方法を知らない。あなたの1票で変えられると言われても、正解を求める教育を受けてきた子どもたちには響かない。自分の選択に自信を持てる人を育てていくことも、選挙・投票率と関係するのではないか」とのことでした。
また、最近、テレビなどでよく出演をされている、若者の政治参加を促す一般社団法人「NO YOUTH NO JAPAN」の能條桃子さんという方を紹介いたします。彼女は、留学先であったデンマークの生活を通じて、若者の政治に対する積極的な姿勢に衝撃を受けたそうです。デンマークでは、20代の投票率が80%に達しており、政治に関する議論が家庭や学校で日常的に行われているそうです。彼女が特に印象的に感じたと言っていたのは、「国は自分たちで変えていくもの」「一人一人がこの社会をつくっている」という意識が根づいていることです。
デンマークの義務教育では、政治教育が徹底されており模擬選挙なども実施されています。若者が政治に興味を持ち、社会に対して積極的な態度を取ることが促進されています。日本では、政治についてフラットに話し合う文化が少ないことが課題として挙げられます。政治や選挙の意義を学ぶ機会が少ないため、18歳になって「選挙に行こう」と呼びかけられても若者には響かないケースが多いのではないでしょうか。
一方で、先ほど御紹介した大学生のように、自分たちの世代が抱える課題を真摯に考え発信しようとする若者はいます。政治をより身近に感じられる環境が整えば、日本でも社会課題を共有し未来を切り開こうとする若者たちが増え、よりよき未来につながっていくのではないでしょうか。
子ども議会や高校生出前議会など、児童生徒が政治に興味を持つような取組を行うとともに、私の地元である洛東高校など一部の高校では模擬選挙も行われていますけれども、自ら意見を発信して政治をもっと楽しめるような雰囲気にできればと思います。
そこでお尋ねいたします。
自らが政治の主体であるという認識を育むためには、主権者としての意識を高めることが重要だと思います。テスト中心プラス政治や制度の仕組みの暗記では、政治に対する十分な知識や思考方法は身につかないだけではなく、自分と政治とはほど遠いものだと思わざるを得ないと感じます。
イギリスの政治学者であるバーナード・クリック氏が提唱しているのは、具体例から学ぶことであり、例えばどのような製法で作られたチョコレートを買うのか、どのようなもので作られた服を着るのか、そうした日々の自分自身の選択一つ一つが政治であるということを述べています。個人的な経験や知人の体験談ですが、授業では、主権者教育に対して主に試験に必要な内容を教えることに集中しているように感じます。
仲間意識が高い日本では、「みんなと同じ意見じゃないといけない」というプレッシャーはあると思いますが、相手の意見を尊重し、議論をしたり自由に意見を言う授業や環境が重要だと思いますが、学校においてどのように取り組まれているのでしょうか。
また、若者の投票率を向上していくためには、より身近で楽しい政治参加の環境づくりが必要です。例えば、投票済み用紙をインスタグラムなどのSNSにシェアしたくなるようなデザインにすることで、投票を楽しいイベントに変えてしまう。また、自治体のホームページについて、不在者投票の手続を調べてもページが堅苦しい印象を受けます。視覚的に理解しやすいデザインを取り入れることで、投票を諦める若者へのアプローチが可能になるのではないでしょうか。
このような取組を通じて政治参加のハードルを下げ、若者たちが積極的に社会に関わるきっかけをつくることが重要です。こうした施策にどのように取り組んでいくか、お考えをお伺いいたします。
◯知事(西脇隆俊君)
◯議長(石田宗久君) 西脇知事。
〔知事西脇隆俊君登壇〕
◯知事(西脇隆俊君) 梶原議員の御質問にお答えいたします。
年収の壁対策の周知についてでございます。
年収が一定の基準を超えると税や社会保険料の支払いにより実質的な収入が減少するため、働く時間や日数を調整するいわゆる年収の壁による就業調整は、働き方の選択の幅を狭めており、労働市場を活性化するために解決すべき課題だと考えております。
年収の壁を意識せずに働ける環境の整備は、実質賃金の上昇や労働生産性の向上につながるものであり、国の「年収の壁・支援強化パッケージ」につきましては、使用者と労働者の双方が正しく制度の趣旨や導入のメリットを理解し、共通の認識の下、取り組めるよう丁寧に周知を図っていくことが重要だと考えております。
このため京都府では、使用者に対しましては、国の助成金をはじめとするパッケージに関するセミナーの開催や社会保険労務士により社内規定の制度導入を支援いたしますとともに、労働者に対しましては、労働者団体等と連携し、年収の壁に関する税金や年金制度についてのセミナーや社会保険労務士による個別相談会を開催するなど、パッケージの活用を働きかけてまいりました。参加した使用者からは「支援制度について確認できたので社内で対応を検討する」、労働者からは「働き方を選択する上で参考になった」などの声をお聞きしているところでございます。
こうした取組の結果、京都府内で国の助成金の支援対象となる労働者は、本年1月時点では3,418人でございましたが、8月時点で1万727人に増加するなど、活用が進んでおります。本年10月に開催した京都労働経済活力会議では、公労使が連携してパッケージの周知・広報に取り組むことを確認したところであり、今後、京都企業人材確保センターが経済団体の労働問題部会などにおいて制度導入のメリットを経営者へ紹介するなど、さらなる活用促進を図ってまいりたいと考えております。
さらに、現在、国において、年収の壁に関連する税や社会保障制度の見直しの検討が進められているところであり、新制度創設後の周知や社会保険労務士による相談対応などに取り組むこととしております。
今後とも、誰もが希望に応じて働ける社会の実現に向けまして、公労使一体となって取組を進めてまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきます。
◯商工労働観光部長(上林秀行君)
◯議長(石田宗久君) 上林商工労働観光部長。
〔商工労働観光部部長上林秀行君登壇〕
◯商工労働観光部長(上林秀行君) 税金や保険料などのシミュレーションソフトについてでございます。
議員御提案の税金や保険料などが簡単にシミュレーションできるソフト等については、手取り収入額などを知る上で大変便利であり、厚生労働省や民間のサイトで無料で提供されているものがありますので、ジョブパークやマザーズジョブカフェでのカウンセリングなどで周知を図っているところです。
今後とも、年収の壁や支援強化パッケージに関するセミナーや個別相談会などにおいて、シミュレーションの試算結果を活用して将来設計のアドバイスを行うなど、自分らしい働き方やライフプランを考えるきっかけにもなるよう、あらゆる機会を通じてきめ細かく対応してまいります。
◯教育長(前川明範君)
◯議長(石田宗久君) 前川教育長。
〔教育長前川明範君登壇〕
◯教育長(前川明範君) 梶原議員の御質問にお答えいたします。
政治や選挙について気兼ねなく話ができる社会についてでございます。
若者が政治への関心を高め自分の意見を発信し、社会に参画することは重要であり、学校教育においても、子どもたちが互いの考えを尊重しながら議論を重ね自分の意見を確立し、自信を持って伝え合う力を育むことが求められております。さらに、社会の一員としての自覚を醸成し、よりよい社会の形成に関わろうとする姿勢を育てるためには、多様な価値観に触れる機会を通じて、新しい気づきを得たり、自己を振り返りながら自分の考えを深めていくことが必要でございます。
そのためには、対話や議論といった活動を教科を問わず様々な場面に取り入れ、結論を得ようと試行錯誤をさせる取組が重要であり、このような取組の積み重ねが相手の思いを受け止めようとする態度を育み、自由に意見を主張し合える土壌がつくられるものと考えております。
具体的な取組といたしましては、小・中学校では生徒が候補者役として演説を行い、その内容について討論し投票するという模擬投票に取り組んだり、地元企業や自治体の協力を得て防災や環境などの身近な問題を設定し、生徒同士で話し合い、その解決策を考えるといった課題解決型の学習にも取り組んでおります。
高等学校では、令和4年度から新設された教科「公共」において、民主主義を知識として学ぶだけではなく、合意形成の在り方について議論を通じて理解を深める学びにも取り組んでおります。また、自分で課題を見つけ、その解決に取り組む探究的な活動においても、例えばごみの削減について、自治体の職員と議論を重ねることで新たな施策を自分たちで提案をしたり、マイクロプラスチックによる海洋汚染について、海外の高校生と英語で意見を交わしながら解決策を探るなど、より主体性や多様性を重視した取組を進めているところでございます。
府教育委員会といたしましては、こうした取組を通じて、他者を尊重しながら互いの思いや考えを伝え合う力を育むことで、主権者として積極的に社会に参画する態度の育成に取り組んでまいります。
◯選挙管理委員長(多賀久雄君)
◯議長(石田宗久君) 多賀選挙管理委員長。
〔選挙管理委員長多賀久雄君登壇〕
◯選挙管理委員長(多賀久雄君) 梶原議員の御質問にお答えいたします。
若者の投票率についてでございます。
ここ数年の国政選挙における10代、20代の投票率は、議員御指摘のとおり、他の世代に比較して低くなっております。若年層の投票率が低いことについては、民主主義の健全な発展の観点から憂慮すべきことであると受け止めており、有権者の皆様方の選挙、政治への参加意識の向上は大変重要であると考えております。
京都府選挙管理委員会におきましても、本年2月に行った市町村の選挙管理委員会の委員や事務局職員を集めた研修会において、京都府明るい選挙推進協議会の委員である、一般社団法人「NO YOUTH NO JAPAN」で代表理事を務める現役大学生を講師として、若者の政治に対する意識や団体の活動内容などを伺ったところでございます。
研修会では、講師の北欧での留学経験を通じ、北欧では情報へのアクセスの容易さや学生生活の中で生徒による学校内自治が根づいていることにより若者の政治参加が活発であるという分析や、自治体が独自にできる取組としては、選挙時における投票に関する情報など有権者への情報アクセスを改善していくことなど、非常に興味深い御講演をいただきました。
これを受け、さきの衆議院議員総選挙の啓発においては、若年層の利用が多い各種コミュニケーションツールの活用をこれまでより重視し、LINE、XやGoogleなどのソーシャルメディアに投票日や投票時間のほか、住民票を地元に置いたままの学生も不在者投票ができることなどを周知する投稿をしたところでございます。
来年は参議院議員通常選挙も予定されていることから、日頃から教育委員会や市町村選挙管理委員会等と連携して、主権者教育を通じて将来の有権者である子どもたちの意識の醸成を図ることはもとより、若年層に届く効果的な啓発活動を通じ選挙への参加意識を高める取組を進めてまいりたいと考えております。
◯梶原英樹君
◯議長(石田宗久君) 梶原英樹議員。
〔梶原英樹議員登壇〕
◯梶原英樹君 御答弁ありがとうございました。
目まぐるしく変わるところではありますけれども、年収の壁については、知事も御存じのとおり大変気にされている方が多いと思いますので、どうか力強く進めていただきたいなと思います。
また、連合京都からも強い関心が寄せられていますこの年収の壁については、先ほども御紹介ありましたけれども、民間のサイトでは、家族が何人で何人の子どもがいて時給が何円なのか、自身の状況を入力すれば手取りがどれほどまでになるのかと分かりやすくシミュレーションできるものがあります。しかしながら、オフィシャルではありません。国のサイトもありますけれども、いまいち分かりづらいという声も多々聞いております。ぜひ、働く者の立場で年収の壁に混乱する方への力強い御支援を引き続きよろしくお願いいたします。
政治や選挙についてですが、私が小学生のときに選挙から帰ってきた母に叱られたエピソードを少し紹介させていただきます。
帰ってきた母に、「誰に入れたん」と聞くと「そんなこと聞くもんじゃありません」ということを叱られたことがありました。それ以来トラウマがあって、政治や選挙にちょっと遠ざかるような期間がありましたし、皆さんも御経験されたと思いますけれども、職業何ですかと言われたときに「政治家です」と言ったらなぜか避けられる、遠ざけられるといったこともこの世界に入って経験いたしました。しかしながら、政治や選挙は未来を考えるものであり、なぜ民主主義を私たちが守らなければならないのか、現実の世界を理解するためにも、政治に参加する能力を身につけるための環境整備が必要だと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
次に、MaaSと特急「はるか」山科駅延伸を活用した周遊観光の促進について、お伺いいたします。
今の日本の観光の状況についてですが、先日発表されました日本政府観光局の統計調査では、10月の訪日外客数は過去最高を記録したとのことでした。また、10月までの累計は、1964年の統計開始以来過去最速で3,000万人を突破いたしました。京都では、京都市内の人気のある観光コンテンツに観光客が集中し、例えば交通において、交通手段の供給力不足により観光公害とも称されるような課題も生じています。
実際に住民アンケートにおいて、観光に対する市民感情は不満度が上昇しており、さらなる観光産業の発展のためには、住民に対するケアを行わないと大きな社会課題となっていく危険性があると考えています。
こうした課題に対応するためにも、一極集中を避け観光の分散を進める必要があると考えます。京都府では、京都市と連携し府市で分散観光を進める取組を知事と市長のトップミーティングにおいて合意されました。具体的には、京都府の「もうひとつの京都」エリアと京都市の「とっておきの京都」エリアを周遊観光する取組を「まるっと京都」と名づけて、進められようとしています。
京都府内には、一部の人気ある観光コンテンツ以外にも多くの魅力ある観光コンテンツがあります。例えば、私の地元の山科には、敷紅葉で有名な毘沙門堂や小野小町ゆかりの隨心院など見どころがいっぱいであります。また、春と秋に運航される日本遺産に認定された「びわ湖疏水船」、春に開催される山科スイーツフェスも魅力的です。こうしたコンテンツを府市連携で発信し、多くの観光客に魅力を伝え、広く周遊していただくことは非常に有効だと考えます。
こうした各地域の魅力を生かした周遊観光を進めるに当たっては、周遊しやすい移動手段の確保が重要です。京都市交通局を含め、様々に観光に係る移動手段を工夫されているところですが、私は、周遊観光のさらなる促進に向けて活用できる取組として、MaaSの活用を検討していくべきだと考えます。MaaSとは「Mobility as a Service」の略で、あらゆる交通手段を統合しその最適化を図った上で新しい移動サービスを提供する概念のことであります。
MaaSに関しては、昨年、商工労働観光部の所管事項調査で参考人依頼をしましたMaaS Tech Japanの日高洋祐氏からも、先進的な取組の紹介がありました。近年では、交通空白地の解消の観点だけでなく、観光産業におけるオーバーツーリズム解消の観点でも用いられるようになってきています。関西では、関西MaaS協議会によるアプリのリリースが行われ、京都府も連携されていると聞いております。本格的な実装はまだ道半ばでありますが、こうした動きが出てきていることは評価すべきことと考えています。
また、先般、報道でもありましたが、京都と関西国際空港を結ぶ関空特急「はるか」号が山科駅まで延伸される発表がありました。始発と終点が山科駅になるということです。2029年度に延伸を目指すとのことですが、まだ先の話ではありますが、地下鉄東西線との乗換えも可能な山科駅が発着になることで、これも観光の分散化が大きく期待できます。輸送能力の高い鉄道を分散観光に活用することは効果的です。
こうした関西MaaSの本格化や特急「はるか」の山科延伸など、将来の交通手段の変化や発展を見据え、「まるっと京都」エリアの新たな魅力の掘り起こしや周遊ルートの開発を一層促進し、大きな人流の変化が起こるように準備を進めておくべきだと考えます。
そこでお尋ねいたします。
現在、府市協調で「まるっと京都」を推進され、ツアーの販売や新たな魅力の情報発信をされていますが、具体的にどのようなツアーが実施され、地域の観光コンテンツをどのように情報発信されているのでしょうか。
また、今後、関西MaaSや「はるか」の山科駅延伸などの交通手段の変化を見据えて、「まるっと京都」の周遊観光を検討していく必要があると考えます。MaaSにたけた有識者や国とも連携した取組を検討すべきかと思いますが、御所見をお聞かせください。
以上で、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)